Recalog

Recalogは一週間にあったニュースや記事からkokorokagamiとtoudenがピックアップして話す番組です https://listen.style/p/recalog?bqOBxHVT

203. 2025/02/23 ChatGPTに調査機能を実装

2025年02月23日

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内容紹介

kokorokagamiとtoudenの2人で、ChatGPTに高度な調査機能『Deep Research』が登場、スーパーベルク10店舗にストアロボット導入 など について話しました。

出演者

kokorokagami
kokorokagami
touden
touden

以下のようなトピックについて話をしました。

01. ChatGPTに高度な調査機能『Deep Research』が登場

OpenAIは、ChatGPTの新機能「Deep Research」を発表しました。この機能は、複雑なタスクに対してインターネット上で多段階の調査を行うエージェント型の能力です。人間が何時間もかかる作業を数十分で完了させることができます。

Deep Researchは、OpenAIの次世代エージェントとして、ユーザーのプロンプトに基づいて数百のオンラインソースを検索、分析、統合し、研究アナリストレベルの包括的なレポートを作成します。ウェブブラウジングとデータ分析に最適化されたOpenAI o3モデルの一バージョンを搭載し、インターネット上の大量のテキスト、画像、PDFを検索、解釈、分析する能力を持っています。

この機能は、金融、科学、政策、エンジニアリングなどの分野で集中的な知識労働を行う人々や、車や家電製品などの慎重な調査が必要な購入に関して個別化された推奨を求める消費者向けに設計されています。すべての出力には明確な引用と思考プロセスの要約が含まれ、情報の参照と検証が容易になっています。

Deep Researchは、新しい知識を生み出すためのAGI(汎用人工知能)開発に向けた重要な一歩とされています。現在はProユーザーに提供されており、今後PlusユーザーとTeamユーザーにも拡大される予定です。

02. スーパーベルク10店舗にストアロボット導入

MUSEが開発したストアロボット「Armo One」が、スーパーマーケットチェーンのベルクの埼玉県と群馬県の10店舗に導入されました。2024年6月から2店舗で運用を開始し、残りの8店舗は2025年2月以降に導入される予定です。

Armoは、人手不足の解消と売り場活性化を同時に実現するプラットフォームです。拡張ユニットを交換することで、品出しや売り場画像の収集など複数の業務を1台でこなすことができます。収集したデータはクラウドサービス「Eureka Platform」に蓄積され、小売業者やメーカーがリアルタイムで商品棚の状況を確認できます。

この導入により、店舗では品出し作業の最大30%の工数削減が可能となり、マルチユースでの活用で5倍程度のROIを実現できるとされています。

ベルクのシステム改革部長は、Armoの導入背景として品出しや商品搬送業務の負荷軽減を挙げ、人手不足や賃金上昇への対策になると同時に、従業員の働きやすさにもつながると述べています。現在は主に品出し業務に活用していますが、今後は売場の棚画像可視化や販促業務など、多用途での活用を検討しているとのことです。

この導入拡大は、既存店舗での想定を上回る成果を受けて実現したものであり、小売業界におけるロボット活用の新たな可能性を示しています。

03. 中国の人型ロボット開発最前線:上海のAIロボットトレーニング施設

中国のロボットスタートアップ「智元機器人(Agibot)」が上海市に設立した3000平方メートルの「データ収集工場」で、革新的な人型ロボットの開発を進めています。

主要なポイント

施設の特徴

  • 家庭、小売店、サービス業、飲食業、工場の5つの環境を再現
  • 100台近いロボットが洋服たたみ、食器の配置、料理の取り分けなど日常タスクを学習

データ収集の成果

  • 稼働2ヶ月で100万以上のデータを収集
  • 1000種類以上のタスクを実施、各タスクに数百から数千の動作データを含む

技術的優位性

  • AIモデルを活用した自律的な動作の実現を目指す
  • 米国と比較して10分の1のトレーニングコストで運営
  • 部品の国内調達による効率的な生産体制

この施設は、元ファーウェイの天才エンジニア彭志輝氏が技術責任者を務め、2024年12月から量産体制に入っています[5]。同社は複数回の資金調達を経て、評価額70億元(約1400億円)を超える企業に成長しています。

04. 切削加工の騒音を心地よい音色に変換する

切削加工の騒音問題に対する新たな解決策として、不快な騒音を心地よい音色に変換する試みが提案されました。具体的には、切削加工音に倍音(ハーモニクス)を合成することで、心理的なストレスを軽減し、作業環境の改善を目指しています。この研究では、実際の加工音を分析し、それに基づいて倍音を合成する実験と、合成音が作業者に与える心理的影響を評価するためのアンケート調査が実施されました。

実験では、様々な切削条件下での加工音を収録し、それらの周波数特性を分析。特に、基音(基本となる周波数)と倍音(基音の整数倍の周波数)の関係に着目し、これらの音響特性が作業者に与える影響を調査しました。また、SD法(意味微分法)を用いたアンケート調査を通じて、異なる切削音が作業者の感情的イメージにどのように影響を与えるかを評価しました。この調査では、経験年数が異なる作業者グループ間での評価の違いも分析されました。

研究の結果、多くの作業者がハーモニクス合成音に対して好意的な印象を持つことが明らかになりました。このことは、適切な音響設計によって、作業環境における騒音の質を改善できる可能性を示唆しています。今後の課題として、実際の作業現場での実地検証や、さらに多様な音響パターンの調査が挙げられます。

この研究は、騒音問題に対する新しいアプローチを提案するとともに、作業者の心理的健康と作業効率の向上に貢献する可能性を示しています。特に、製造業などの騒音環境下での作業が多い分野において、この研究成果が実用化されることへの期待が寄せられます。


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