Recalog

Recalogは一週間にあったニュースや記事からkokorokagamiとtoudenがピックアップして話す番組です https://listen.style/p/recalog?bqOBxHVT

204. 2025/03/02 米月着陸機が軟着陸成功

2025年03月02日

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内容紹介

kokorokagamiとtoudenの2人で、宇宙飛行士の野口聡一がISSシミュレーターを体験評価、OpenAIが新言語モデルGPT-4.5を発表 など について話しました。

出演者

kokorokagami
kokorokagami
touden
touden

以下のようなトピックについて話をしました。

01. 宇宙飛行士の野口聡一がISSシミュレーターを体験評価

宇宙飛行士の野口聡一さんが、NASAの協力を得て株式会社スペースデータが開発した「ISS Simulator」というゲームをプレイした感想を述べた動画の内容です。

ISSは、16カ国が共同で運用する国際宇宙ステーションで、1998年に打ち上げられ、現在も運用中です。ゲームでは、温度や風などの実際のデータを元にISSの環境が再現されています。

動画内では、自由に移動できる球形ロボット「イントボール」の操作の難しさや、無重力空間での風の流れ、ロボットアーム操作パネルの設計、ケーブル配線の問題、運動設備やトイレの特徴などが紹介されました。

野口さんは、シミュレーターの技術的な再現度の高さを評価する一方で、ゲームとしては現実以上に宇宙っぽい表現があってもよいと述べ、クリエイターとの連携でより魅力的なものになる可能性を示唆しました。また、オープンワールドゲームの実物以上にリアルな表現に魅力を感じていることも明かしました。

02. OpenAIが新言語モデルGPT-4.5を発表

OpenAIが新たな言語モデル「GPT-4.5」をリリースしました。GPT-4.5は、OpenAIの最大かつ最も知識豊富な言語モデルとして位置付けられています。

主な特徴として、教師なし学習を大規模に活用することで、より広範な「世界モデル」を獲得し、パターン認識や関連付け、洞察生成の能力が向上しました。また、感情的知性(EQ)が高まり、より自然で暖かみのある対話が可能になりました。

GPT-4.5は、ChatGPTのProプラン利用者とAPI開発者向けに先行提供され、その後段階的に他のプランにも展開される予定です。ChatGPTウェブ版では、ウェブ検索機能やファイル・画像のアップロード、Canvas機能などが追加されました。

安全性に関しては、従来の教師あり学習と強化学習を組み合わせた手法で訓練されており、ハルシネーション(幻覚)の発生率も低減されています。

OpenAIは、GPT-4.5を最後の非推論モデルと位置付けており、将来的にはユーザーがモデルを意識せずに利用できる体験を目指しています。また、o系列の推論モデルとGPT系列のモデルを統合する方針も示されました。

03. Anthropic社が高性能AI『Claude 3.7 Sonnet』を発表

Anthropic社が発表した「Claude 3.7 Sonnet」は、AIモデルの新たな進化を示す画期的な製品です。このモデルの最大の特徴は、高速な応答と深い思考を1つのシステムで実現する「ハイブリッド推論モデル」という点です。

ユーザーは状況に応じて、迅速な回答を得られる標準モードと、複雑な問題に対して段階的に推論を重ねる拡張思考モードを切り替えて使用できます。拡張思考モードでは、AIの思考プロセスを可視化することも可能になりました。

特筆すべきは、コーディングと前端開発における性能向上です。ソフトウェア開発のベンチマークテストで最高水準の結果を記録し、実用性が大幅に向上しています。

また、Claude 3.7 Sonnetと同時に発表された「Claude Code」は、開発者向けのコマンドラインツールで、コードの検索や編集、テスト、GitHub連携などを直接ターミナルから行えるようになりました。

さらに、このモデルは128Kトークンの長文処理能力を持ち、より複雑で長い文章の理解と生成が可能になっています。安全性の面でも改善が見られ、有害なリクエストの識別精度が45%向上しました。

Claude 3.7 Sonnetは、AIの実用性と柔軟性を大きく前進させる革新的なモデルとして、幅広い分野での活用が期待されています。

04. 10倍高速なAI言語モデル『Mercury Coder』登場

AI開発企業Inceptionが、従来のAIモデルよりも最大10倍高速なテキスト生成が可能な大規模言語モデル「Mercury Coder」をリリースしました。Mercury Coderは拡散型の言語モデルで、ノイズから単語を抽出してコードを生成する新しいアプローチを採用しています。

このモデルの特徴は以下の通りです:

  1. 高速性: 既存のNVIDIAハードウェア上で毎秒10,000トークンまで生成可能。

  2. パフォーマンス: Gemini 2.0 Flashlight、GPT-4o miniなどの小型フロンティアモデルと同等の性能。

  3. 並列処理: 従来の左から右へのトークン生成ではなく、一度にすべてを処理。

  4. マルチモーダル対応: 将来的に動画や画像生成と組み合わせた機能が期待される。

  5. コーディング能力: 複雑なコード生成タスクにも対応可能。

Mercury Coderは現在、無料でテスト利用が可能ですが、1時間あたり10リクエストの制限があります。この新しいアーキテクチャは、特に高速な推論速度を必要とする分野でイノベーションを促進する可能性があります。

05. 米民間企業の月着陸機『ブルーゴースト』が軟着陸に成功

アメリカの民間企業Firefly Aerospaceの月着陸機「Blue Ghost」が2025年3月2日17時35分頃、月面への軟着陸に成功しました。これは民間企業による2回目の月面軟着陸成功となります。

Blue Ghostは2025年1月15日にSpaceXのFalcon 9ロケットで打ち上げられ、危難の海にあるラトレイユ山の近くに着陸しました。このミッションはNASAの商業月輸送サービス(CLPS)の一環として実施されました。

搭載されたペイロードには、月面下10フィートまで測定可能な熱流量計や、全地球航法衛星システム(GNSS)の信号を月環境で利用できるかを実証する受信器など、計10の機器が含まれています。

着陸地点は丁度日の出を迎えたタイミングで、日の入りは3月16日の予定です。Blue Ghostのミッションはこの2週間にわたって行われる見込みです。

Firefly AerospaceはBlue Ghostの着陸を「完全に成功した月面着陸」と表現しており、これは以前の民間月着陸機Odysseusが横転した状態で接地したことを意識したものと思われます。

06. 手のひらサイズの月面探査車YAOKIが開発

YAOKIは、月面開発の最前線で活躍する超小型・超軽量・高強度の月面探査車(月面ローバー)です。以下がYAOKIの主な特徴と目標です:

特徴:

  • 超小型:15×15×10cmと手のひらに乗るサイズ
  • 超軽量:498gと非常に軽量
  • 高強度:100Gの衝撃に耐え、洞窟への投げ込み探査も可能
  • 確実走行:転倒しても走行可能な設計

目標:

  1. 民間企業による月面探査の実現:NASAの月輸送ミッション「CLPS」に日本企業として参加
  2. アルテミス計画と連携した月面開発への貢献:2025年頃からモビリティシステム分野での貢献を目指す
  3. 月面基地建設への貢献:2028年頃から始まる月面基地建設を支援し、多数のYAOKIが月で働く未来を実現

YAOKIは、コストを抑えて月面に送り込むことができる設計となっており、民間企業による月面探査を実現し、月面開発を着実に前進させることを目指しています。将来的には、大量のYAOKIが月で活躍する姿を描いています。


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