210. 2025/07/20 Google I/Oで新AI機能10種発表
内容紹介
kokorokagamiとtoudenの2人で、宇宙飛行士古川聡氏が万博会期中に講演会、アップル新デザイン『Liquid Glass』に賛否両論 など について話しました。
出演者
以下のようなトピックについて話をしました。
01. 宇宙飛行士古川聡氏が万博会期中に講演会
タイトル:バイオインタラクション研究会 一般公開講演2025「宇宙と生命・タンパク質」
2025年6月28日、大阪・関西万博開催中に、「宇宙と生命・タンパク質」をテーマとした一般公開講演会が開催される。午前中は国内外の研究者による分子構造に関する科学的講演が行われ、宇宙へと広がるサイエンス分野への関心を高める。午後にはJAXA宇宙飛行士の古川聡氏による「国際宇宙ステーションからその先へ」と題した講演が予定されている。参加費は無料だが、事前申込が必要となる。
02. アップル新デザイン『Liquid Glass』に賛否両論
タイトル:Appleの新デザイン言語「Liquid Glass」が賛否両論を巻き起こす
Appleが発表した次世代のデザイン言語「Liquid Glass」は、水滴やガラスのような透明感と光の屈折効果を取り入れた革新的なインターフェースだ。しかし、そのベールが剥がされると同時に、「美しい」という称賛と「致命的に読みにくい」という痛烈な批判が噴出した。
Liquid Glassは、半透明のガラス層にUI要素を浮遊させ、背景をぼんやりと透かし見せる。多くのデザイナーがその美的価値を評価する一方、ユーザーからは「テキストが読みにくい」という深刻な問題が指摘された。特に通知センターやコントロールセンターでは、明るい壁紙によって白いテキストが背景に溶け込み、判読が困難になる。
この問題は、アクセシビリティへの懸念にもつながる。高齢者など視覚にハンディキャップのあるユーザーにとって、Liquid Glassは厳しいデザインだ。美しさとアクセシビリティの両立が求められる。
過去を振り返ると、Windows VistaのAero Glassや、iOS 7の登場時にも同様の議論があった。Appleは開発者やユーザーの声に耳を傾け、透明度とぼかしのバランスを調整することで、Liquid Glassを磨き上げていくだろう。
Liquid Glassは、次世代UIの可能性を感じさせる未完の大器なのか、それとも美しさを追求するあまり迷走してしまうのか。Appleのデザイン史における重要な分岐点を、我々は今まさに目撃しているのかもしれない。
03. Google I/Oで新AI機能10種を発表
タイトル:Google I/O 2025の主要発表まとめ
Google I/O 2025で多数の新サービスや機能が発表されました。主要なものを簡潔にまとめると以下の通りです。
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Gemini API:Gemini 2.5のアップデートや24言語対応の音声合成機能、リアルタイム音楽生成のLyria RealTimeなどが発表。
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Google BeamとGoogle Meetのリアルタイム翻訳:没入感のあるビデオ通話とリアルタイム翻訳機能。
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Project Astra:多言語対応の感情認識AIアシスタントをGeminiアプリに統合。
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AI Mode:リーズニングとマルチモーダル機能を備えた高度なAI検索ツール。
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Gemini Diffusion:高速なテキスト・コード生成拡散言語モデル。
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Jules:Gemini 2.5 Pro搭載の自律型コーディングエージェント。全世界で利用可能に。
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Gemma 3n:モバイル端末向けマルチモーダルオープンウェイトモデル。
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SynthID Detector:GoogleのAIコンテンツの透かし検出ツール。
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Veo 3、Imagen 4、Flow、Lyria 2:高度な動画、画像、音楽生成ツール。
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Gemini in Chrome:ChromeにGeminiを統合。ウェブページの解説や要約が可能に。
発表された機能の多くはまだ利用できず、米国限定のものも多数ありますが、GoogleのAI技術の急速な進歩と実用化が印象的なイベントでした。
04. 日本の経済指標691項目を可視化するダッシュボード公開
内閣府とデジタル庁が公開した「Japan Dashboard」は、都道府県ごとの人口や平均給与など、日本の経済・財政・人口・暮らしに関する691の指標を見やすく表示するダッシュボードです。
主な特徴は以下の通りです:
- 都道府県ごとの各種指標を地図上で確認できる
- 指標をグラフ化し、数値順に並び替えることが可能
- 2つの指標の関係性を散布図で表示し、相関の強さを確認できる
- 最大4種の指標を並べて表示する機能も用意されている
例えば、現金給与総額を見ると、東京、愛知、大阪、神奈川の順に高くなっています。また、人口と給与の関係性を調べると、人口が多い都道府県ほど給与が高い傾向にありますが、人口の少ない都道府県では相関が弱くなっています。
Japan Dashboardは、膨大な情報を視覚的に分かりやすく表示することで、データ分析や関係性の把握を容易にするツールであり、データ活用の促進に役立つと期待されます。
05. 台湾企業が国内初の海外ロケット打ち上げ
タイトル:北海道スペースポートから国内初の海外ロケット発射、4年ぶりの打ち上げで感じた熱気
2025年7月12日、北海道大樹町の宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」から、台湾の宇宙開発企業tiSPACEの日本法人jtSPACEが開発した準軌道ロケット「VP01」が打ち上げられた。これは国内初の海外企業によるロケット打ち上げとなった。
打ち上げ当日、HOSPOには地元住民や宇宙ファンなど多くの見学者が訪れ、会場は期待と興奮に包まれた。予定時刻を過ぎての突然の打ち上げアナウンスに、緊張感が高まった。
VP01は順調に飛び立ったが、約10秒後に姿勢制御が乱れ始め、50秒後にはエンジン音が途絶えた。2段目のロケットは警戒区域内に落下し、打ち上げは失敗に終わった。
失敗の結果にも関わらず、見学者からは感動の声が聞かれ、HOSPO関係者も次の挑戦につなげる前向きな姿勢を見せた。この打ち上げは、北海道大樹町が”宇宙の玄関口”として成長していく新たな一歩となった。
06. 神奈川県が衛星データ活用の新事業を公募
神奈川県は、衛星データを活用した新ビジネス創出を目指す「衛星データ利活用プロジェクト」の公募を開始した。県内で実施される案件を対象に、1件あたり最大600万円が支援され、知財や課題解決の専門家による伴走支援も提供される。
プロジェクトには、社会課題の解決や市場ニーズへの対応を図るものであり、原則として1年以内に事業化の方向性を見出せるものが対象となる。また、プロジェクトメンバーには神奈川県内に拠点を持つ企業の参加が必須である。
応募期間は2025年7月10日から8月6日までで、事前に参加意思表明書の提出が必要となる。県はモデルケースを通じて、衛星データ市場のユースケース拡大と県内産業の底上げを目指している。
07. ラピダス、2ナノ半導体の試作に成功
ラピダスが2ナノメートル半導体の試作に成功し、2027年の量産に向けて大きな一歩を踏み出した。極端紫外線露光装置の迅速な導入により、わずか3カ月で露光に成功したことは世界的にも例がない。また、重要技術であるGAAトランジスタの試作も行われ、年内には顧客向けのプロセス・デザイン・キットを提供する予定だ。
一方で、トランジスタ性能や歩留まりの向上など、改良の余地も残されている。政府の支援を受けているラピダスだが、参院選の結果次第では支援に対する議論が高まる可能性もある。東会長は、日本が最先端技術に挑戦し、異例のスピードで進展していることに世界が驚いていると述べ、関係者への感謝を示した。
本ラジオはあくまで個人の見解であり現実のいかなる団体を代表するものではありません
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