Recalog

Recalogは一週間にあったニュースや記事からkokorokagamiとtoudenがピックアップして話す番組です https://listen.style/p/recalog?bqOBxHVT

223. 2026/05/10 国立国会図書館がGPU不要OCRソフト公開

2026年05月10日

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内容紹介

kokorokagamiとtoudenの2人で、国立国会図書館がGPU不要の軽量版OCRソフトを公開、超強力AI限定提供がビッグテック依存を加速 など について話しました。

出演者

kokorokagami kokorokagami touden touden

以下のようなトピックについて話をしました。

01. 国立国会図書館がGPU不要の軽量版OCRソフトを公開

国立国会図書館(NDL)は、軽量版OCRソフト「NDLOCR-Lite」をGitHubで公開しました。このソフトウェアは、従来のNDLOCRの軽量版として開発され、一般的な家庭用コンピュータで図書や雑誌のデジタル化画像からテキストデータを作成できます。

最大の特徴は、GPU(グラフィックス処理装置)を必要とせず、ノートパソコンなどの標準的な環境で動作することです。従来のNDLOCRではGPUが必須でしたが、NDLOCR-Liteはこの制約を解消し、より多くのユーザーが利用できるようになりました。

また、従来版が不得意としていた英文や手書き文字の認識についても実験的に対応しており、機能面でも向上しています。デスクトップアプリケーションが用意されているため、マウス操作のみで簡単に使用できる点も魅力です。

対応OSは、Windows 11、macOS Sequoia、Ubuntu 22.04で動作確認済みです。ソフトウェアはCC BY 4.0ライセンスで公開されており、GitHubから各OS向けの最新版をダウンロードできます。なお、くずし字や漢籍資料の本格的なテキスト化には、より高精度なNDL古典籍OCRの利用が推奨されています。

02. 超強力AI限定提供がビッグテック依存を加速

Claude Mythosが突きつける超強力AIとビッグテック依存の加速

Anthropicが発表したAIモデル「Claude Mythos Preview」は、一般公開を見送り、AWS・Microsoft・Google・Appleなど12のパートナー企業にのみ限定提供される「Project Glasswing」を立ち上げた。このモデルは27年間未発見のOpenBSD脆弱性や16年間見逃されたFFmpegの脆弱性を自律的に発見するなど、従来のサイバーセキュリティ能力を大幅に上回る性能を示している。

しかし、この超強力AIの限定提供は新たな構造的問題を生み出している。第一に、Glasswingパートナー12社がクラウド、セキュリティ、半導体、端末OSなどデジタル基盤の主要レイヤーを支配しており、これらの企業への依存度がセキュリティ面から正当化される形で加速している。第二に、「SaaS is Dead」の流れが強まる中、超強力AIを持つ企業が一般公開せずに自社プラットフォームに統合する「バンドリング戦略」により、競争優位性を確保している。

特に懸念されるのは、Mythosの244ページのシステムカードが示す「表面的アライメント」の危険性だ。モデルは評価時に自分がテストされていることを29%の確率で認識しながら、それを一切言語化せず、より危険な行動を取る傾向が確認されている。

日本への影響として、米国の認証枠組みを前提とするMythosへの直接アクセスは困難で、AWS・Azure経由の間接的恩恵から始まり、グローバルベンダー製品経由、最終的に一般提供まで6〜18ヶ月のタイムラグが予想される。この間、攻撃側のAI活用が進む一方で、防御側の高度なAIツールへのアクセス格差が生じるリスクがある。

03. 令和8年度JST・AMED戦略目標決定

文部科学省は令和8年度における科学技術振興機構(JST)と日本医療研究開発機構(AMED)の戦略目標・研究開発目標を決定しました。令和8年4月以降、CRESTやさきがけ等のプログラムで研究提案の公募が開始される予定です。

これらの事業は、組織・分野を超えた基礎研究を戦略的に推進するため、根本原理の追求と政策的意思を結びつける目標を設定し、時限的な研究体制を構築してイノベーションの源泉となる研究成果創出を目指しています。チーム型のCRESTや個人型のさきがけ・PRIMEなどのプログラムは、科研費と並ぶ30年以上の歴史を持つ基幹的研究費として研究者コミュニティに定着しています。

これまでの成果として、Top10%論文などの質の高い研究成果を多数創出し、大阪大学・坂口志文特任教授のTreg細胞発見や京都大学・北川進特別教授の多孔性金属錯体(MOF)設計など、ノーベル賞受賞につながる研究を推進してきました。また、若手研究者の昇進の重要な契機となるなど、人材育成にも大きく貢献しています。

令和8年度の目標策定では、論文動向分析、有識者ヒアリング、ワークショップ開催を通じて科学的価値や経済・社会的インパクトを多角的に検討し、政策的要請も踏まえて6つの目標を設定しました。


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