Recalog

Recalogは一週間にあったニュースや記事からkokorokagamiとtoudenがピックアップして話す番組です https://listen.style/p/recalog?bqOBxHVT

233. 2026/10/11 IDCFにランサム攻撃、495社被害

2026年10月11日

MP3ファイルをダウンロード

内容紹介

kokorokagamiとtoudenの2人で、LTK最終シーズン開幕、4チーム60名の総力戦へ、相次ぐ不正アクセスに官民が注意喚起 など について話しました。

出演者

kokorokagami kokorokagami touden touden

以下のようなトピックについて話をしました。

01. LTK最終シーズン開幕、4チーム60名の総力戦へ

k4sen主催の『リーグ・オブ・レジェンド』コミュニティ大会「League The k4sen(LTK)」の最終シーズン「Season: Finale」の出場チームとメンバーが発表されました。大会は10月15日(木)から11月22日(日)まで、計11日間にわたって開催されます。Regular Stage、MASTERS CUP、Playoffsの順に進行し、Regular Stageは24試合が行われます。

前シーズンに続き、「NEXT」「CORE」「MASTERS」の3階級制を採用しています。各チームは階級ごとにTOP、JG、MID、ADC、SUPの5名、計15名で構成され、4チーム合計60名が総力戦で競います。

出場チームは次の4つです。

  • Dahlia Diadem(ダリア・ダイアデム):MASTERSにWashidai、しゃるる、たぬき忍者、Day1、hetel。COREにスタンミじゃぱんや神楽めあ、NEXTに天ノ川ねるや白波らむねなど。
  • Camellia Crown(カメリア・クラウン):MASTERSにYutapon、Rainbrain、Ceros、Yuhi、NEMOH。COREには主催のk4senと葛葉が名を連ね、NEXTには叶や空澄セナなど。
  • Iris Tiara(アイリス・ティアラ):MASTERSにらいじん、Yunika、Eugeo、Zerost、Enty。COREにmittiiiやたかやスペシャル、NEXTに橘ひなのや天帝フォルテなど。
  • Laurel Regalia(ローレル・レガリア):MASTERSにapaMEN、Nesty、Recap、Haretti、ThintoN。COREに焼きパンや乾伸一郎、NEXTに狐白うるや春茶など。

プロ級の腕前を持つプレイヤーから人気配信者、VTuberまで幅広い顔ぶれがそろい、階級ごとの熱戦とチーム全体の総合力が見どころとなりそうです。

02. 相次ぐ不正アクセスに官民が注意喚起

2026年10月7〜9日、個人情報保護委員会、JPCERT/CC、国家サイバー統括室、IPA、警察庁、金融庁などが、国内組織で相次ぐ不正アクセスと個人情報漏えいを受けて注意喚起を出した。被害は一般向けアプリだけでなく、BIツールや従業員向け管理システムにも及ぶ。IPAは、特定製品の脆弱性を狙った攻撃とは断定されておらず、外部公開アプリやアカウントの侵害が起点とみられるとしている。

JPCERT/CCは攻撃を4類型に整理した。

  • ケースA:既知の脆弱性や管理不備を標的ごとに探索する。
  • ケースB:スマホアプリの解析で得たAPIキーなどを使った、API経由の不正操作。
  • ケースC:MetabaseのSQLインジェクション脆弱性(CVE-2026-72898)の悪用。
  • ケースD:Webシェルとして動くWARファイルの設置。

ただし、すべてが同一の手法とは限らない。民間の観測では、同一とみられる攻撃者が約40分間に326のIPアドレスを使い分け、1,200件超のアクセスを行っていた。AIエージェントの可能性も指摘されるが、AI利用を直接示す痕跡は確認されておらず、AIによるゼロデイ発見・悪用も確認されていない。

政府は関係省庁会議を開き、情報を国家サイバー統括室に集約して事業者へ注意喚起する方針を示した。運転免許証画像の流出を受け、一部の県では免許証の再交付も始まった。

各機関が共通して推奨する対策は次のとおり。

  • 直近1カ月のログから段階的に点検する。
  • 脆弱性対応や公開範囲の見直し、APIの棚卸し、認可、レート制限を行う。
  • 多要素認証の導入と権限の最小化を進める。
  • 不要な個人データを削除し、保存データと通信を暗号化する。
  • 侵入後の検知体制とインシデント対応を整える。
  • 委託先を含めて管理し、経営層が関与する。

利用者には、パスワードの使い回しをやめること、多要素認証を使うこと、不審なメールやSMSに注意することが呼びかけられている。

03. IDCFクラウドにランサム攻撃、495社が被害

2026年10月7日午前3時40分頃、IDCフロンティアが提供する「IDCFクラウド」がランサムウェア攻撃を受け、東日本リージョン1の4ゾーン(tesla、henry、pascal、joule)で仮想サーバーが停止し再起動できなくなった。影響を受けたのは495の企業や自治体にのぼる。同社は被害拡大を防ぐため、東日本リージョン1をネットワークから遮断し、管理コンソールを停止した。侵入経路は外部の専門企業と調査中で、緊急対策本部も設置している。

第3報では、4ゾーンの顧客データは取り出しや復元が困難な見通しとされた。復元できるのは顧客自身が持つバックアップからのみで、別環境での再構築が案内されている。他のゾーンやリージョンでは不正アクセスは確認されておらず、顧客には自主的なバックアップが案内されている。

影響は業種を問わず広がった。UDトークは公開トークのQRコード情報をすべて失い、シックス・アパートはMovable Typeクラウド版31台を「さくらのクラウド」へ暫定移行した。グリニッジは8月末時点のバックアップから別環境で再構築し、日水物流は17拠点で入出荷が止まった(一部は再開)。茨城県や小平市、焼津市、湖西市などの自治体サイトも閲覧できなくなった。

情報漏えいの可能性も公表された。JR東日本は、えきねっと会員が最大約167万件、大人の休日倶楽部会員が最大約39万件、ビューカードが約403万件で、メールアドレス等が閲覧または取得された可能性を否定できないとしている。氏名、住所、クレジットカード番号などは漏えいの可能性がないとした。小平市や焼津市も住民情報の漏えいのおそれを公表したが、いずれも漏えいは確認されていない。

IDCFクラウドと名指しせず「データセンター障害」とだけ説明した組織も多い。多くの組織が復旧の見通しを示せず、別基盤への再構築を進めている。

04. ARTEX悪用疑惑と公開終了

ARTEXは、開発者がGitHubで公開していたオープンソースのAIペネトレーションテストツールです。LLMとマルチエージェントで動く自律型システムで、構成はGoのバックエンドとPostgreSQLです。計画を立てるplannerと実行するworker、規則で許可・拒否・確認を判定する承認ゲート、人の介入機能を備えていました。2026年7月26日に初版を公開し、約2か月で18版を更新しました。9月には成都の「Agent+」攻防能力チャレンジで優勝しています。

開発者はREADMEで、用途を個人の学習や研究、ローカルでの検証に限り、実環境への攻撃や本番利用を禁じていました。v0.3.13では、同意しなければログインできない免責ダイアログと、政府・教育機関サイトを対象から外す遮断規則を追加しています。

9月下旬、韓国の金融機関でKB国民銀行や新韓銀行などへの不正アクセスが相次ぎました。10月2日、韓国のセキュリティ企業の研究者が、攻撃に使われたC2サーバーのHTMLに「ARTEX」の文字列があったと投稿しました。この文字列は、READMEが案内するデモサイトの題名と同じでした。金融保安院長は、攻撃に使われたIPにARTEXの痕跡があったと述べましたが、AIの利用は確定できないとも話しています。CrowdStrikeは10月7日、攻撃者のインフラからClaude Codeのセッション履歴やARTEXの設定ファイルが見つかったと公表しました。同社は特定の攻撃者には帰属させず、中国語話者で金銭目的の可能性が高いと中程度の確度で評価しています。

インターネット上では、オアシスセキュリティがARTEX関連の固有IPを359件、Team Cymru Researchが52ホストでの稼働を観測しました。ただし、露出しているものがすべて悪性とは限らず、金融機関への攻撃と断定はできません。

開発者は10月8日、攻撃は自身と無関係で悪用を非難するとの声明を出し、更新を終えてクローズドソース化すると表明しました。10月9日時点で、リポジトリやデモサイトは閲覧できません。

05. 光で神経を操る光遺伝学にノーベル賞

2026年のノーベル生理学医学賞は、光遺伝学(オプトジェネティクス)の基盤となる「光駆動型イオンチャネル」の発見に対し、カール・ダイセロス、ペーター・ヘーゲマン、ゲオルク・ナーゲルの3氏に授与された。

脳は約900億個の神経細胞が電気信号でやり取りするネットワークであり、従来の手法では大まかな理解しかできなかった。フランシス・クリックは、狙った細胞だけに素早く信号を入れる手段として光を提案したが、当時は実現が難しい「突飛な方法」だった。

ヘーゲマンは、単細胞藻類クラミドモナスが光を受けて0.0005秒で電気信号を出すことに着目した。この速さから、光受容とイオンチャネルを1つのタンパク質が兼ねているという仮説を立てた。ナーゲルと共同でカエルの卵母細胞に遺伝子を組み込み、2002年に世界初の光駆動型イオンチャネル「チャネルロドプシン1」を、翌年には高速で弱い光にも反応する「チャネルロドプシン2」を発見した。

ダイセロスはこの遺伝子を2005年にラットの神経細胞へ導入し、青色光で電気信号を起こすことに成功した。この技術を光遺伝学と名付け、2007年には生きたマウスのヒゲの動きや覚醒を光で操作し、神経活動と行動の因果関係を示した。利根川進らの研究では、光で記憶痕跡(エングラム)を再現し、恐怖記憶を呼び起こすこともできた。この手法で痛覚、社会的行動、体内時計、発熱などを担う神経回路が細胞単位で解明され、脳以外への応用も進んでいる。

今後は、うつ病、統合失調症、パーキンソン病、アルツハイマー病などの仕組みの解明や治療への貢献が期待される。網膜色素変性症では、視細胞以外の細胞に光駆動型イオンチャネルを作らせる治療が臨床試験の段階にあり、失明患者が物を認識できるようになった例もある。藻類の研究から生まれた光遺伝学は、自然科学の応用範囲の広さを示している。

06. ハルツェン氏がノーベル物理学賞受賞

2026年のノーベル物理学賞は、IceCubeニュートリノ観測所への決定的な貢献と天体起源の高エネルギーニュートリノの発見により、ウィスコンシン大学のフランシス・ハルツェン氏が単独で受賞しました。ニュートリノ関連の受賞は通算5回目です。ニュートリノは物質をほとんど素通りする「幽霊粒子」で、検出が極めて難しい粒子です。しかし磁場で曲がらず、光も通さない場所の情報を運べるため、宇宙線の起源である活動銀河核など、高エネルギー天体現象を探る「メッセンジャー」として貴重です。

高エネルギーニュートリノの検出には立方km規模の検出器が必要で、人工水槽では不可能でした。ハルツェン氏は南極の氷に着目しました。先行のAMANDA計画では浅い氷の気泡が障害となりましたが、深さ1400m以上なら十分透明だと突き止めました。この成果をもとに、体積1km³、5160個のセンサーを備えるIceCubeが2011年に完成しました。

2013年にPeV級ニュートリノを初検出し、2014年には宇宙起源だと確認しました。その後、活動銀河TXS 0506+056やNGC 1068との関連、天の川銀河由来の分布、宇宙からのタウニュートリノ検出などが続き、体積8倍の拡張計画IceCube-Gen2も進んでいます。

筆者は、この受賞の背後には450人以上のIceCubeコラボレーションがあり、ハルツェン氏は代表だと見ています。また、ニュートリノ、電磁波、重力波、宇宙線を組み合わせるマルチメッセンジャー天文学への期待が受賞理由だと考え、自然科学3賞にも団体受賞を認めるべきだと提言しています。

07. ノーベル化学賞、鏡像体の偏り増幅

2026年のノーベル化学賞は、アンリ・B・カガンと硤合憲三に贈られた。授賞理由は「不斉有機合成における非線形効果と自己触媒作用の発見」である。

アミノ酸や糖などの分子には、右手と左手のように重ならない鏡像体(キラリティー)がある。生命は糖では右手型、アミノ酸では左手型というように、片方しか使わない(ホモキラリティー)。一方、人工的に合成すると通常は両方が等量できてしまう。サリドマイド薬害が示すように、医薬品では片方だけを作り分けることが重要になる。

カガンは1986年、触媒と生成物のキラリティーの偏りが単純な比例関係にならない「非線形効果」を示した。金属に結合する分子が2個の場合、同じ向き同士(ホモキラル錯体)と逆向き同士(ヘテロキラル錯体)で触媒の働きが異なるためである。この効果により、医薬品L-699392の合成では偏り70%程度の触媒から97.5%の生成物が得られた。

硤合は1990年代に、生成物自身が触媒となって片方の鏡像体だけを増やす「不斉自己触媒作用」を実現した。1995年の硤合反応では、52.5:47.5というわずかな偏りが95:5まで増幅された。2003年には、200万分の1の差から3回の反応で99.75%以上の純度に達する例も見つかった。これはフランクが1953年に提唱したホモキラリティー発生モデルの未解決部分を埋める成果である。

ただし、これは生命のホモキラリティーの起源の答えではない。反応は人工的なもので、アミノ酸や糖で同様の反応は見つかっていない。それでも、隕石中のアミノ酸のわずかな偏りを増幅した可能性などを考える重要なモデルとなっている。応用はエイズ治療薬エファビレンツの合成改良などに限られるが、反応機構の解明と実用化はこれから期待される。


本ラジオはあくまで個人の見解であり現実のいかなる団体を代表するものではありません
ご理解頂ますようよろしくおねがいします