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ADR-0046: 採る条件が決まった規定を「条件付きで後置」として記録し、保留と区別する

採用(2026-08-14)

規格調査4本と5者による会議体(#242)で、採否そのものは決まったが、いま置いても機能しない規定が4件出ました。

例外承認の回収を担保する装置がその代表です。会議体は次の事実を確認しました。

  • PPAP・日本政府の標準ガイドライン・JAXA が、いずれも「基準を満たさないまま正規の通過を出せない」機構を持つ
  • JAXA は、過去の判定事例の参照義務と、再発時の自動昇格を課している
  • 一方、案件 P-001 の 7.3 の適用件数は 0 件である

適用が0件である以上、参照すべき過去の判定も、止める対象の未回収項目も存在しません。いま条文へ置いても空振りします。

これを「保留」と記録すると、次に読む者には「決まらなかった」としか見えません。会議体が確認した先例も、空振りの理由も、いつ採るべきかも残りません。次の会議体は、4本の調査と5者の意見書を読み直すところから始めます。

ADR-0028は未達と省略を区別しました。ADR-0033は「対象なし」を記録して通過する状態を定義しました。同じ精度が、決定の側にも要ります。

ADR-0034は「未確定は未達ではない。時期が来ていない状態である」と定めました。同じ作法を、規定の採否へ適用します。

1. 「条件付きで後置」を、採否の第3の状態として置く

Section titled “1. 「条件付きで後置」を、採否の第3の状態として置く”

規定の採否は次の3つで記録します。

状態 意味
採る 本文または ADR へ反映する
採らない 採らないと決めた。理由を記録する。本文へ明記するかは別に判断する
条件付きで後置 採ると決めた。ただし条件が満たされるまで置かない

「保留」を用いません。保留は判断が済んでいない状態であり、後置は判断が済んでいる状態です。

2. 後置には、観測できる条件を書く

Section titled “2. 後置には、観測できる条件を書く”

条件には数えられる量と、どの観測が得られたら採るかを書きます。書けない場合は後置と記録できません。ADR-0045の差し替え条件と同じ要件です。

3. 会議体が後置と判定した4件を、本 ADR に記録する

Section titled “3. 会議体が後置と判定した4件を、本 ADR に記録する”
# 規定 採る条件
1 昇格の禁止(未回収の例外承認がある間、次のゲートで通過を出せない) 7.3 の適用が、いずれかの案件で3件を超えたとき。または 7.3 を経ずに基準未達のまま進んだ事案が1件でも見つかったとき
2 一貫性の強制(過去の判定事例の参照義務、再発時の自動昇格) 7.3 の例外承認が3件を超えたとき
3 リスクの集約評価(SR3 が多数残る状態を、1件の状態と区別する) SR3 以上が5件を超えた案件が生じたとき
4 安全リスクの見積りへの第三者の関与 案件が3人以上の体制になったとき

1 の第2条件が要です。第1条件は「7.3 が使われている」ことの確認であり、第2条件は「7.3 が回避されている」ことの確認です。適用0件という観測は両方の仮説と整合するため、回避を直接検出する条件を併せて置きます。

4. 後置した規定を、根拠水準マークの対象としない

Section titled “4. 後置した規定を、根拠水準マークの対象としない”

後置は本文へ反映していない状態です。存在しない記述へマークを付けません。条件の記録は本 ADR が担います。

案 却下の理由
保留として記録する 条件が消える。次の会議体が調査からやり直す
4件とも採り、本文へ置く 空振りする。装置を増やすほど回避と未記録の確率が上がるという会議体の確認と矛盾する
4件とも採らないと決める 先例が支持する装置を、実績が出る前に否定することになる
Issue の本文にのみ残す Issue を閉じると追えない。決定の記録は ADR が正本である
  • 採否の記録に「条件付きで後置」の状態が加わる
  • 後置した規定は本文に現れない。実行層にも降りない
  • 条件が満たされたとき、新しい ADR で採否を決める。本 ADR の本文は書き換えない
  • 条件が満たされたことを検知する仕組みは無い。次に該当の主題を扱うとき、本 ADR を読むことに依存する